車のように丸く稲を植えることから「車田(くるまだ)」と呼ばれている特殊な田圃です。昔は、ここで取れた米は伊勢神宮に奉納されたと伝えられていますが、一説には山の神を迎える田であったとも言われています。神聖な田として肥料も下肥(しもひ)は使わず、わらだけを使い、汚れた水も流れ込まないようにしていました。田が丸いことから特殊な植え方をし、高山市松之木町の車田保存協力会が昔ながらの方法を今に伝えています。
そのやり方は、
- 田の中央に杭をたてる
- そこから7本の線を引く
- 線上に3本の苗を5株ずつ植える
- 外側に苗を同心円状に植えていく
これを七・五・三の田植えともいいます。全国では佐渡両津市北鵜島と、ここ高山市松之木町にのみ残る珍しい田植えです。
現在は高山市内の2か所でのみ見ることができる風景です。